性転換手術を承認
埼玉医大倫理委 早ければ来月実施
埼玉医大(埼王県入間郡呂山町、東博彦学長)の倫理委員会(委員長・山内俊雄教授)は12日、自分の性に強い違和感を持ち別の性になることを強く望む「性同一性障害」と診断された女性患者について、性転換手術を認める結論を出した。同医大の医療チーム「ジェンダークリニック委員会」(委員長・阿部達教授)から承認申請が出ていた。早ければ六月にも同医大の総合医療センター(同県川越市)で手術の見通し。大学の倫理委の承認を受けた国内で初めての性転換手術となる。(社会面に関係記事)
患者は30代の女性。幼いころから自分が女性であることに違和感を覚え、心と体の性の不一致に悩んできた。精神療法やホルモン療法を受けてきたが、クリニック委は、最終的な治療として性転換手術をしたほうがよいと判断した。国内では、3人の男性の性転換手術をした東京都内の医師が1969年、正当な理由なく生殖を不能にする手術をしたとして、母体保護法(旧優生保護法)違反の罪で起訴され、東京地裁で有罪判決を受けた。以来、国内の医学界では、性転換手術は表立って議論されてこなかった。
性同一性障害
生物学的には完全に正常であり、自分の体がどちらの性に属しているのかはっきり認知していながら、その半面で人格的には自分が別の性に属していると確信している状態。数万人に1人の割合でいるとされる。自分で意識する性と肉体的な性の不一致に悩み、日常生活で反対の性の立場をとったり、強く性転換治療を望んだりする。同性愛とは異なる。原因ははっきりしないが、胎児期に受けたホルモンの影響などによる生物学的要因が指摘されている。欧米では「障害」として治療が定着している。
1998/5/13
朝日新聞
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