はじめに

平成8年7月2日に埼玉医科大学倫理委員会が性同一性障害(性転換症)の手術療法を正当な医療行為と判断したが、その際に、性転換症治療をおこなうにあたって必要とされる手続きならびに環境の整備について、次のような条件を付記した。
1)関連する学会や専門家集団による診断基準の明確化と治療に関するガイド ラインを策定すること。
2)性同一性障害の診断、治療に関する各領域の専門家からなる医療チームを 結成し、適切な対象選定と治療選択、術前、術後のケアーのための体制の整備 をすること。
3)性同一性障害に対する理解を深め、外科的性転換治療に伴って生ずる諸問 題を解決するための働きかけ、例えば、法律家をまじえた有識者による現実問 題の解決への作業や、当事者の参加のもとに、一般のひとびとの理解を得るた めの努力が必要。
 日本精神神経学会では埼玉医科大学の答申を受けて、平成8年9月21日に 学会理事会の下に「性同一性障害に関する特別委員会」(以下、特別委員会) を設置し、主として上記1)「性同一性障害の診断基準の明確化と治療に関す るガイドラインの策定」に関して、検討することにした。

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