おわりに

生物学的性は生下時にはすでに決定されており、付与された神聖なもので、濫りに手をつけるべきではないとされてきた。しかし、性は単に生物学的なものだけではなく、社会的、文化的な側面も併せ持っており、性をどう生きるかの選択が個人に委ねられている部分のあることもまた、無視する事のできない事実である。すなわち、個人が自らの性をどう受け止め、どのように生き、自らの生活を豊かにするかは個人の選択に負うところが大きいといえよう。 しかしながら、性同一性障害においては自らが抗しがたい障害があり、性をよりよく生きる事が損なわれている状態ともいえる。このような状態を医療や社会が軽減することが出来るとすれば、それもまた、人類の幸せにとって重要なことと考え、ここに答申し、提言をおこなうものである。 なお、ここに示されたガイドラインは我が国の現在の状況での現実的にしてかつ、望みうる目標を示したものであるが、今後、性にまつわる障害に関する知識や経験が豊富になり、社会の性に関する認識が変化するとともに、ガイドラインもまたさらに形を整え、より良いものとなることが望まれる。

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